代表 ご挨拶
■はじめに
1965年(昭和40年)、この福岡県において我社は創業されました。
私の祖父が創業者。そして、父が承継し現在私で三代目。
物心ついた時から家業という関係で樹木と接してきましたが、この仕事につくという考えは全くございませんでした。高校卒業後、世の中はコンピューター社会。私も自分の好きな分野として、IT系の仕事に就きたく、何も疑わずその道の学校に進み、SE、プログラマーの夢をもち学んでまいりました。しかし、その頃バブル経済の終焉と共に就職氷河期となり、一番の目標であった銀行系への就職が難しいと判断し、考えに考えた結果取った道は、学校を中途退学し、そのまま家業を継ぐという選択でした。
それからは、修行に打ち込み、更なる高みを目指すべく様々な事に挑戦してまいりました。人としてこの世に生をうけ、この時代を生きる経済人として、これまでの生き方を振り返りつつ、これからの将来に向けての歩みを考えるにあたりしっかりとした軸を定め決して後悔しない生き方を全うする。そういった気持ちで邁進してまいりました。
■自然の相手をする生業
20世紀半ば以降に見られる地球規模の気温の上昇、すなわち現在問題となっている地球温暖化の支配的な原因は、人間活動による温室効果ガスの増加である可能性が極めて高いと考えられています。大気中に含まれる二酸化炭素などの温室効果ガスには、海や陸などの地球の表面から地球の外に向かう熱を大気に蓄積し、再び地球の表面に戻す性質(温室効果)があります。18世紀半ばの産業革命の開始以降、人間活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中の温室効果ガスの濃度は急激に増加しました。この急激に増加した温室効果ガスにより、大気の温室効果が強まったことが、地球温暖化の原因と考えられています。
その地球の修理をしているのが、我々の業界。
温室効果ガス削減には循環型の低炭素社会が望まれ、具体的にはゴミの分別や地産地消、省エネ対策、そして環境への配慮。この環境への配慮の中に樹木を多く植えるという選択肢があります。
我々、造園業は建設業28業種の中で、唯一「生き物」を扱う業界です。また、大自然を相手しないといけませんので、よく自然の事も考えていかなければなりません。
我々は、この日本国において緑化推進を目指してまいります。
■癒しの創造
現在 我々を取り巻く環境は一昔前とは比べものにならないくらい変化しております。経済不況はもちろん、多くのメディアで信じられない事件が取り上げられ、私はその原因の一つとして、現代人の「こころ」が希薄になっていると考えます。確かに現代では多くの「もの」で満たされ、何不自由ない生活を送れる事と思いますが、肝心な「こころ」を失っているのではないでしょうか?
私たちの生業とする「造園」という職業は庭造りを通して唯一、その「こころ」を育める職業であると確信しております。
だからこそ我々の存在意義が問われる時代に移り進んでいると考えます。
我々は庭園を通じて癒しを創造し、「こころ」の醸成に取り組んでまいります。
■説得力のある企業をめざして
一昔前、庭木、庭石が何十万円として取引されていた時代があります。所謂「言い値」というものです。大体いくら・・それはこれ位するよ・・・この値段じゃないと売れないよ・・・
何の根拠があるのか。
また、今でもお客様の顔色や生活レベルなどを見て金額を決める輩がいます。更には見積書と請求書の金額が大きく違い、問いただすと「やっぱりこれだけ掛かりました」など。一番悪いのは、飛び込みの口約束だけで「○○円でやりますよ」というパターン。あとで請求される金額は・・・
だから、「庭師か詐欺師か」なんて言われるんです。
そもそも、庭石や庭木に値段をつけるというのは極めて難しいのは確かです。
その枝ぶりや幹肌、成長度、石だったら表情や大きさ、色など。
そういった、造園業界の古い産業構造をなるべく排除し、安心と信頼を兼ね備えた説得力のある企業を目指してまいります。
■終わりに
私はこの業界に入って早27年になります。そして、この業界の長所や短所も多く見てまいりました。よく、我々の仲間内では営業力か技術力かと議論する事がありますが、私は欲張りなので両方欲しい。それがお客様の笑顔と感動につながるならなんだってします。
我々の業種、古くは「庭師」と呼ばれていました。庭師の「師」。これは医師や牧師、教師など、比較的地位が高い(昔の感覚で)業種の呼ばれ方です。明治時代初期までは、家や屋敷を造る前に何でも庭が一番最初だったらしく、庭を基準に家や屋敷を建てるという事でした。大工などの「工」は「師」よりも位が低い時代の事です。今では庭師から「造園工」と名称が変わってしまい、その他の業種と同等という事ですが、明らかに造園業の地位は落ち込んでいると感じます。その事を重く受け止め、この業界を盛り上げていきたいと考えております。